一回のトレードへの思い入れを無くすことの重要性
私はシステムトレードにおいて最も難しく、かつ重要なことの一つが、「裁量を排除すること」だと考えています。システムトレードを経験したことのある人のうち、裁量トレードを一回も行ったことの無い人は存在しないと思います。それだけ難しいんです。
自己資金で投資を行っていて、目の前で損失が出ていたり、ずっと損失だったのにやっと利益が出たりした際、ついつい不安な感情を優先してしまいます。これは仕方のないことではあるのですが、そういうトレードを繰り返しているとシステムトレードで成功することはできません。
では、どうしたら裁量トレードを排除することができるのでしょうか?以下の3つの考え方が参考になると思います。
過去と全く同じトレードは存在しない
システムトレードの本質を理解するには、マクロの視点とミクロの視点の両方を理解することが重要です。そもそも統計学とはそういうものなのですが、マクロでは特定の傾向が生じる一方で、一回一回のトレード(ミクロ)では、過去とまったく同じトレードは存在しません。
なぜならが、同じ銘柄の似たような相場であったとしても、その時と全く同じ人がまったく同じトレードをすることはありえないからです。そのため、過去の似たようなトレードにひきずられて、システムの指示に従わず裁量でトレードをしてしまうことは、まったくの間違いになります。
むしろ、そういったトレードの積み重ねによって、マクロ視点で生じていた特定の傾向が機能しなくなってしまいます。
結局個々のトレードは全くの未知
そして、一つ一つのトレードにおいて、どう動くかを予測することなど不可能だと理解することが重要です。このトレードに参加している人が一体何を考え、どう行動してくるかなんてわかりません。分からない以上、裁量で判断して行動してはいけません。もしかしたら、その判断が良い結果になるかもしれませんが、それは偶然です。
トレードを積み重ねることで初めて優位性が生まれる
当たり前のことですが、マクロ的な視点は、一つ一つのトレードを積み重ねることで生まれます。逆に言うと、「今回だけは」を繰り返すことでその優位性が失われてしまうのです。