今さら聞けない。「人工知能(AI)」が再注目されている理由
本サイトはシステムトレードに関する情報提供サイトですが、新コーナーとして最新トレンドワードについての私なりの見解を発信するコーナーとして本コーナーを設けました。
初回は、新聞やネットメディアでほぼ毎日目にするようになったキーワード「人工知能(AI)」をテーマとし、なぜ今人工知能に再び目が向けられるようになったのか?また、今後日々の生活にどんな影響を及ぼしていくのかを予測したいと思います。
※専門家ではないので、多少の間違いはご容赦ください(大枠は間違っていないと思います)。
今回のブームは第3次ブーム
人工知能が注目を浴びるのは今回が初めてではありません。その歴史は古く、第1次ブームは1960年代、なんと50年以上過去にさかのぼります。
第1次人工知能ブームは「推論と探索」から生まれました。ゴールとルールを指定された条件下でいかに最短の経路を見出すかという問題において、最適解を模索する手段として人工知能の研究がなされました。ただ、これはゴールとルールが明確な場合にのみ有効であり、いわゆる人間のような思考ができるかというと、そうではありませんでした。
第2次人工知能ブームは「エキスパートシステム」から生まれました。専門家の知識をコンピューターに移植することで、特定の問題を解消しようというものです。ただし、これも専門家の知識をパターン分けし、ルールとしてシステムに盛り込まなければ問題は解決できませんでした。結局自ら考え、解決することができるわけではありませんでした。
では、今回なぜ第3次ブームが起きているかというと、2つ要因があります。一つはコンピューターの性能の大幅な向上。もう一つは、ビッグデータ解析技術の向上です。これにより「ディープラーニング」という技術が発達しました。
これまでの人工知能では、人間がシステムにヒントとなるデータ(特徴点)を与えることで、学習し精度を高めていくことしかできませんでしたが、ディープラーニングでは、勝手に特徴点を抽出し、学習していくことができます。これにより、人間の介在することなく、勝手に学んでいけるようになりました。
人間が介在するのとしないのとでは、実用性という観点で雲泥の差があります。そのため、いよいよ人工知能が実用性を持ち始めたということでGoogle、Apple、Amazonをはじめとする各社がこぞって研究に力を入れ始めているのです。
私たちの生活がどう変わるか?
気になるのは、私たちの生活がどう変わるか?ですが、ディープラーニングには研究の進んでいる領域とそうでない領域が存在します。主に「①音声認識」「②画像認識」「③言語認識」の3領域がありますが、①音声認識については実用段階に進んでいます。次いで②画像認識が進んでいます。③言語認識については実用レベルに至るにはもう数年かかるという見通しが有力です。
最も進んでいる音声認識では、人間と同レベルにまで認識できるまで精度が向上しています。そのため、iPhoneに搭載されているSiriやGoogleの音声検索では、ストレスを感じることなく利用できるようになっています。また、テープ起こしなどの仕事も今後はなくなっていくのではないでしょうか?
次に画像認識では、例えばECサイトなどで効果を発揮することが期待されています。ECサイト内で商品を探している際に、閲覧した(クリックした)アイテムと似たアイテムを提案することで、購入促進することが可能になると考えられています。
世界と日本の人工知能研究の差
今人工知能の研究に最も力を入れているは、Google、Apple、Amazonの3社です。3社ともに「豊富な資金」と人工知能の技術発展において重要な「ビッグデータ」を保有しています。また、今後人工知能の研究成果が各社の命運を分けるとも考えているため、多額の資金を投入し研究を進めています。
そして、この3社の中で最も進んでいるといわれるのがAmazonです。Google、Appleがどう巻き返していくか、そして日本の各社はこのトレンドにどう乗っていくか。経営者の最新技術への理解と柔軟な対応が求められそうです。